フィーブル藩国 国立図書館

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zoom RSS 究極温泉探し

<<   作成日時 : 2007/01/29 04:53   >>

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 プカプカとフィーブル藩国にある海岸で何やら手に持って歩いているサイボーグがいる。
 片方はダル気にブラブラと歩くだけ。もう片方は「く」の字に折り曲げられた棒をやけに熱心に持っている。

「なんか反応しましたか、フィーブル様?」
 呼びかけるはダル気なサイボーグ、でかあさ。
 判りにくいが「で」が苗字で「かあさ」が名前だ。サイボーグで防衛施設代官、そのくせ文族という変わり者だった。

「ううん。動かないよ。」
 答えるは鉄の棒を握り締めたサイボーグ、フィーブル。
 フィーブル藩国の王、その人。年のころはまだ若く、西国人特有の浅黒い肌はまだまだ艶々としている。まだ「可愛いい」という表現が似合うが、数年もすれば「美しい」と表されるだろう。
 横ではでかあさが、その可愛いい王の付き添い独り占め、とホウッとなっている。
 ウホッでも構わない。フィーブル王、身の危険?

 それにしても王様と国の要職が、海の真ん中で、なに鉄の棒を握り締めてるかと言うと、話は数日前にさかのぼる。

=***=


 その日も会議では様々な事が決定されていた。
 中でも一番の重要事項は国力増強だった。

 議長でフィーブル国の頭脳とも言える戯言屋が口を開く。

 「では、藩王には温泉発掘の任務に着いて頂くと云う事で」
 「はい。精一杯頑張ります。」

 素直にフィーブル王が答える。様々な場所で様々な活動を行い国力を増強しようという事で、そのリーダーとして国の要職たちが方々へ赴く事が決まっていた。

(よし、立派な温泉を発掘するぞ)
 この王、先代が早世したために、14才という若さ王座に着いたのだった。
 それで、変に拗ねる事もなく素直なのは美徳だろう。
 王猫パーカーもとてもにこやかにそれを見つめる。
 このパーカー、先代から王猫を務める老賢者である。

「では護衛はでかあさ殿にお任せしますか、戯言屋殿」
 と口を開くは吏族スピーカー。

「そうですねえ。では、付き添いはでかあさ殿にお願いします」
「はぁ〜い。かしこまりまして。」
 ちょっとダラけて答えるでかあさ。会議に遅刻や無断欠席があまりに多い奴なので居るうちに仕事をやらせとこう。そんな意図での人選。

 そんな意図には気付かない、でかあさの頭の中身は…
(う〜んん。くぁいこちゃんと二人っきりでお仕事。あたしゃぁ幸せだなぁ。)
 今日の格好はポンチョ一枚。危険な素足。変態だった。

「では、今日の会議はここまでということで。各員、作業お願いしますー」
 めいめいに散っていく参加者達。
でかあさがやる気十分のフィーブル王の方へ歩いていく。

「んじゃあフィーブル王、あたしがサイボーグ改造室までご案内致しますね」
「はい。サイボーグに不慣れな事もありますが、よろしくお願いします。」
 会議室から出て行こうとしていた戯言屋とスピーカーは、その何気ない会話に固まった。

「待て待て待て。でかあさ殿、なぜに王を改造するので?(汗)」
「え?簡単ですよ。お耳を拝借。」
 素直に耳を近づける二人。

 「ひ」
    「ひ?」
        「み」
           「み」
              「Chu!」 

 息を吹きかけられ怖気立つ。
と同時に機関銃をでかあさに向ける。首をイヤイヤしながらィイ笑顔でおびえるでかあさ。

「やだなぁ冗談ですよ戯言屋殿。今回の温泉発掘任務、どう考えてもサイボーグじゃないと無理じゃないですか」

 任務調査書を恐ろしい勢いでめくる。
 口を大きく開けて眼を合わせるスピーカーと戯言屋。
 どうでもいいが古典的な驚き方するな、この二人。

「藩王殿が、サイボーグ化ですか!?」
「執刀医が自爆装置でも埋め込んだらどうする気ですか!?」
「ご安心を。後で元に戻せるようにしておきますし、執刀は私がやりますから」
 素晴らしい笑顔で答えるでかあさ。もう心は桃色全開。

『それが一番危険だー!!』
 二人同時に突っ込まれつつも早々とポンチョの上に白衣で身をつつみ、フィーブル王を抱えて逃げ出す。素足は変わらず、危険を振りまいていた。

=***=


「うーん、全然反応してくれないや。」
 海岸では相変わらず温泉探索が続いている。王が握っている「く」の字に折れ曲がった鉄の棒はダウジングロッドと言い、発掘などで使われる方法の一つ。

 これが思い切り開くと、その下に何か目的物が存在するというい仕組みだ。
 今回はこれで探せと戯言屋の決定だった。

「んまぁ、戯言屋殿がそう言ったなら大丈夫ですよ。ほら、臣下を信用しないと。」
 王の声に返事をしながら、でかあさはまた、別の事を考えていた。

(いやぁしかしサイボーグに太刀打ちできるなんて、どういう体の作りしてるんですかね、戯言屋殿ったら)

 フィーブル王誘拐後、医務室に現れた戯言屋はでかあさと交戦。
でかあさをボッコボコに打ちのめすと自分の信頼の置ける医師団でもってフィーブル王を最低限必要なだけ、最高級品で改造したのだった。

 フィーブル王自身はでかあさに麻酔をかけられた後だったので、ここら辺のやりとりを知らない。でかあさは王の手術後、意識を取り戻し、こんこんと戯言屋の説教を受けた。おかげで今日は格好だけはマトモだった。

「戯言屋が見つかるって言ったんだから本当に見つかるんだよね。」

(ほんと、あの人にだけはサイボーグ技術はいりませんよ。)

「僕、なんか失敗したのかな?僕、役立たずなのかな?」
 次第に瞳に涙を浮かべ始めたフィーブル王。

(スピーカー殿もタチ悪いしなぁ。ちゃっかり罠なんて仕掛けてやがったし。あたしの美しさに嫉妬してるんだわ。)

「ねぇっ!!聞いてるの!?でかあさ!!!」
「あっはいはいはい。聞いてますよぉ〜」
「嘘だ!今思いっきりうわの空だったろう!」
 藩王、マジ泣き。と同時に全速力で走り出す!

「でかあさもどうせ僕を役立たずだと思っているんだ!!!」
 子供の全速力と侮るなかれ。サイボーグである。あっという間にその場から走り去る。
「あー、やっちゃった。」

 急いで追いかけるでかあさ。最新式の王の体と違って、多少古い体。
 うわぁぁあん、と大声泣きながら走る王に経験を活かし、なんとか追いつく。

「フィーブル様!あたしそんな事思ってませんって!」
「うわぁーん、どうせ僕は役立たずだぁ!」

 まるで聞いていないフィーブル王。いや、でかあさを認識はしているようだ。
 なにせ、凄い勢いでそこら辺の流木やら石やらビンやらを投げてくる。

「ちょっ!フィーブル!様っ!危ないってば!」
「ほっといてよ!どうせ!僕は!やっかい者!なんだっ!」

 そうしたやりとりが三十分は続いただろうか。

「ふー、捕まえた」
 なんとかでかあさは泣いて暴れるフィーブル王を抱きとめる事に成功した。
 経験がなければ最新式の王を捕まえる事は難しかっただろう。
 未だ、でかあさの腕の中でグムグム暴れるフィーブル王。
「話、無視しちゃってすいませんでした。」
 暴れるのをやめ、涙目で上目遣い。
「もう、無視しない?」
 その瞬間、ビジュアルに心撃たれた変態でかあさは、この美形の王に心からの忠誠でもって
「はい」
 と答えるのだった。

 そうしたやりとりの後、日が暮れるまで、二人はダウジングを続けた。

 後日。
「いやぁー、お見事お見事。ここまでの結果が出るとは!」
 報告会議、戯言屋はホクホク顔である。
「全くですね。しっかりと結果を出してらっしゃった。」
 にこやかなスピーカー。

「うん!ぼく頑張れたよ!」
 誇らしげなフィーブル。仕事を成功させたフィーブルの横顔には確かな自信が見て取れた。薄目を開け、それを確認し微笑むパーカー。

「しかしまぁ温泉を発掘しようとして、資源を発掘するとは王らしいですな」
 ちょっと照れるフィーブル。
 そう、今回発見されたのは温泉ではなく鉱物だったのだ。

「いやいや、しかし大したものですよ。さすが藩王殿」
「うん。だけど今日はでかあさはどうしたの?」
 確かに会議の席上にはでかあさの姿はない。

「ああ、あいつなら風邪で欠席ですよ」
「あ、そうなんだ。心配だな」
そうやって報告会は終了していった。

=***=


=城外の連絡掲示板=

 『以下の者、王誘拐の罪により海底鉱物の運び出しを命じる』

 この命よりしばらくの間、海岸沿いの町では鉱物を抱えて海岸を徘徊する変態幽霊の噂が流れてる事となった。

「いや、6tは無理よ・・・・」

(文:でかあさ)




◆ステージ1・No7「究極温泉探し」イベント結果
 ○参加冒険:7:究極温泉探し
 ○フィーブル:6600:西国人+サイボーグ+歩兵
 ○でかあさ:3000:西国人+サイボーグ+歩兵

 ○冒険結果:成功:得たお宝:資源6万t:ユニークな結果:なし
 コメント:温泉探していたら鉱物資源を掘り当てました。

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2007/02/06 21:03

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