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zoom RSS ジョン=ウォーカーの食料増産計画

<<   作成日時 : 2007/02/06 20:50   >>

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ついに、戦争が始まる。
我らがフィーブル藩国は24時間体制での戦争準備に入った。
ジョン=ウォーカー、ただいま戦争準備中である。

あたりをキョロキョロしながら、
「食べ物、食べ物、食べ物、食べ物・・・・」
小声で呟き、オアシス沿いの遊歩道を歩いている。
まるっきり、危ない人である。

あ、道端の草に目をつけたようだ。
匂いをかいでいる。大丈夫なのだろうか?
お、ちょっと齧った。
「ん〜〜〜〜〜〜っ」
少し齧った後、顔が一気にしわくちゃに。
苦かったようである。

……なぜ、ジョンは雑草にまで手を出しているのか?
話は12時間前に戻る。

=***=

王宮、執務室。フィーブル国民の大部分が集まってきた。

戯言屋が難しい顔をしながら、
「夜分に集合して頂いたことに、まず感謝します。現在、我等が国は危機的状況にあります。」
場が静かになる。皆、緊張した顔。
「それでは、藩王殿。お話願います。」

フィーブル藩王は、執務室にいる誰よりも緊張した顔で、
「こ、こんばんは。えと、今、国が大変なんです。」
現フィーブル藩王は、若干14歳。前王が早くに死去してしまったため、幼くして爵位についた。
「その、食事が足りないんです。僕は、国のみんなを餓えさせたくありません。」
しかし、小さいながらも王としての誇り、責任感を持ち、そうあらんと努力している。
「みんな、協力してくれませんか? お、お願いします」
ペコリと頭を下げる。実に健気である。

「では、説明します。現在、圧倒的に食料が足りておりません。」
戯言屋が話し始める。
「計算した所、あと15万トンは必要との事です。各自、食料の調達をお願いしたいのです。危機的な状況ですが、希望はあります。最後まで頑張りましょう。」
さすがは、戯言屋である。落ち着いている。
「では、解散します。質問があれば、いつでも私の所へ。みなさん、お願いします。」
執務室にいた国民は、みな急いで歩き始める。

国の危機である。でも、戯言屋の言う通り希望はある。
なぜなら、ここにいる国民すべてが、この国を心配して動き始めているのだ。
どうにか、なるはずだ。

=***=

「ゴンッッッ」
「痛いっっ」
昨夜の事を思い出しながら歩いていたジョンは、公園の木に頭をぶつけた。
地面でゴロゴロと悶絶している。涙目だ。

あれから、1日中探しているが、ジョンはなかなか食料を見つけることができなかった。
へぽGSは、配給制の導入をすることで食料の確保をしているようだし、
赤松遠心は、農業組合に出向くことで手に入れたようだ。

”食料っていっても、なにがあるんだろ?”
倒れたまま、ジョンは空を眺める。

頭をぶつけた木から、空が透けて見える。今日も暑い日になりそうだ。
「あ、ココナッツ」
オアシス沿いにある公園では、遊歩道の周りにやしの木が生えていた。
「これって、食べれるよな…」
ココナッツからは、ココナッツミルクや、食用油を採取することができる。
しかし、食料と言えるほどの量はないだろう。

”けど、少しでも足しになるし。”
ジョンは、ココナッツのことを覚えておくことにした。

=***=

街に戻ったジョンは、ギョロギョロしながら、
「食料〜、食料〜、しょ〜〜く〜〜りょ〜〜〜〜!!」
呟きですらない。その目は、餓えた狼のようだ。
もはや、ヤバイ人である。

なかなか、見つけることができない。
けれど、それもしかたなかろう。ここは砂漠の国。
昔から、食料には苦労してきたのだ。
そうそう簡単に見つけることはできない。

街では、24時間体制になったせいか、常に人が忙しそうに走り回っている。
誰も彼もが、戦争準備に向けて忙しい。

しかし、そこは落ち着いた雰囲気の国。違う者達もいる。
午前交代のサイボーグ兵が帰る前にビールを飲んでいるようだ。
「ついに戦争が始まりますね・・・」
不安そうな顔をしているのは、新人であろうか?
「なーに、今までたくさんの苦労はあった。けど、フィーブルはやってこれたんだ。」
「今回だって、どうにかなっちまうもんさ。」
いかにも古参兵といった顔つきの兵士は、新人に向けて言う。
「なにより、このルーディスビールが飲めなくなっちまうのは辛いしな!」
既に、酒が回っている赤ら顔の兵士は言う。
「まったくだ!フィーブル藩王殿万歳!ルーディスビール万歳!」
皆、酒を飲み干す。
「さーて、帰って休むぞ!休むのも任務のうちだ!」

それを眺めていたジョンは、
「ビール。ビールか……」
フィーブル名産のルーディスビールの原料はルーディス麦だったはずだ。
ってことは、今もビール用の麦がどこかに保管してあるはずでは?
「それだっ!!」
ジョンは、一目散に走り出す。
まずは、酒造組合にいってみよう!

=***=

「お願いしますっ!!」
ジョンは酒造組合に着くなり、大声で頼み込んだ。
「今、わが国では食料が足りないんですっ!!ルーディス麦を使わせてくださいっ!」
組合所全体に大声が響く。いかにも職人といった顔をした、組合長は当惑した顔で、
「あんたは、それがルーディスビール用だって分かってるのかい?」

ジョンは真剣な顔つきで、
「はい、承知してますっ!自分も、ここのビールは大好きです!」
初めて、この国に来たときに飲んだことを思い出す。
「本当に丁寧に作られている。深みのあるコク、今まで飲んだ中で一番美味しかった。」
しかし、このまま食料が足りないのでは、フィーブル藩国は…
「お願いです。このままでは、滅亡の危機さえあるんです。」
ここにある麦を使えれば、大幅な増加が見込めるだろう。
「「お願いです、力を貸してくださいっ!」」

真剣なジョンの顔を、こちらも真剣な顔で見ていた職人達が、
「ふん、別にあんたを困らせようとしていた訳じゃないさ。この国が、ヤバイって事は俺達だってよく分かってる。」
「そうさ、この国のためだ。使ってくれてもかまいやしないぜ。」
「ただ、使うからには、この国を守ってくれよ。じゃなきゃ、ルーディスビール自体がなくなっちまうからな。」
「そりゃ、まったくだ!」
笑いがはじける。みな、この国を愛しているのだ。
フィーブル藩国の危機に手を貸さないわけがない。

本日、2度目の涙目になる。
「ありがとうございますっ!!」
大切に使おうと心に決める。
国のために、そして優しい国の人達のために。


報告書 第163号

・酒造組合より、ビール用ルーディス麦の提供を頂けます。
・現在、所有量を確かめていますが、食料の増加は確実であります。

・また、オアシス公園にあるヤシの木より、ココナッツミルク、食用油の精製が見込めます。
・ご確認の程、お願いいたします。
※詳細は別紙にて

ジョン=ウォーカー


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2007/02/06 21:04

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