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zoom RSS いち国民から見た戦争開始

<<   作成日時 : 2007/02/02 02:39   >>

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フィーブル藩国で国民として認められてから1日目。
この日は、忘れられない日になるだろう。
 
=***=

自分、ジョン=ウォーカーは散歩好きだ。
歩くスピードに合わせて、ゆっくりと視点を変えてゆく街並み。
たくさんの行きかう人達の、いろいろな表情。
所によって、くるくると目まぐるしく変わる匂い。
それらを味わいながら、ゆっくりと歩いていくのが大好きだ。
今日で、国民として認められてから1日目。
フィーブル藩国に訪れてからは3日目だ。
国民として認められてからは、住処を決めるために走り回り、
必需品を買い込み、家具を運んでと大忙しだった。
「ふぅ〜〜。これで、お仕舞いっと。」
ようやく、たくさんの雑事を終えて、思わずため息がこぼれた。
これで、当面の生活は大丈夫。
よし、さっそく散歩に出かけよう!まだまだ、この国には詳しくないし。
外は、砂漠地帯らしいギラギラした太陽。
ジョンは小走りになりながらドアを開けた。
 
=***=

フィーブル藩国は、共和国の辺境に位置する小さな小さな藩国である。
開拓民達が、弱々しく今にも消えそうなフィーブルという名のオアシスを中心として築いた国であるため、この名が付いている。
小さいがゆえ、「みんな一緒に頑張ろう」の精神が生きており、穏やかな生活を送る人々ばかりである。
この国で生活をするため、必需品を買い求め商店で買い物をしていれば、見慣れない顔を見つけた店主達は十中八九、ここでの生活についてのアドバイスと驚くようなオマケをつけてくれるだろう。
ジョンが食料品を買い求めた商店の女主人は、フィーブル特産のルーディスビールを1ケースもプレゼントしてくれた。
実に豪快な商いである。けれど、そんな助け合いの精神こそがフィーブル藩国の魅力であろう。
 
=***=

さっそく、散歩に出かけたジョン。
まずこの3日間で何度も行った商店街へと向かうことにした。

港に面したこの商店街は、いつも気持ちいい海風がそよいでおり、
たくさんの人のざわめきに満ちている。

今日も、商店街はたくさんの人達が集まりざわめいていた。
しかし、昨日とは違い、車座になって話し込んでいる人たちが目につく。
そこかしこで、不安そうな顔をした人達(一部除く)が話している。

「要塞艦が・・・」
「これからいったいどうなるんだ?」
「共和国なら大丈夫だニャー♪」

どうも、何か大きな事が起きているらしい。
ジョンは、ビールをくれた女主人を見つけ声をかけた。
「どうも騒がしいみたいですけど、何かあったんですか?」

買い物に来ていたであろう主婦達と話し込んでいた女主人はこちらを向き、勢い込んでまくしたてた。
「あ〜ら、ジョン君こんにちわ!それよりも、知らないのかい??隣国のキノウツン藩国を通ってここに向かって要塞艦が向かってきてるのよ!もうみんな大騒ぎだわ!大変よ!このポスターを御覧なさいな!」

一息で喋りきった女主人は、店の隣に張ってあったポスターを指差す。
そこには、今にもおろおろし始めそうなフィーブル藩王と、隣りで威厳たっぷりに座している王猫パーカーが写っていた。
下にはこう書かれている。



『みんな落ち着いて! 僕も落ち着くから!』

『緊急事態発令。第2種警戒態勢へ移行。』
『キノウツン藩国の救助隊捜索部隊が、敵性空中要塞と思われるものと遭遇。』
『現在その要塞は一路こちらへと接近中です。』
『共和国尚書省からの令に従い、我が藩国はこれを全力で撃退します。』





うわ。     一瞬、内容が理解できず頭が固まる。
女主人は、あらあら知らなかったみたいね!大変なのよ!という顔をしたあと、
「ジョン君は政庁の見習いなんでしょう?行かなくてもいいのかい?」
と心配そうな顔に変わり尋ねてきた。
ようやく思考停止から復帰したジョンはとまどいながら、
「い、行かないといけないです。急いでいってきますっ!」
と言って、政庁に向かって走り出した。
後ろから女主人の声が追いかけてくる。
「頑張りなよーー!フィーブルを守っておくれーー!!」
ジョンは振り向かずに、手をふった。
 
=***=

政庁へと向かっていたはずのジョン。
しかし、まだまだ不慣れなこの国。思いっきり迷っていた。

”早く政庁に行って、先輩達にどうすれば良いか聞かなきゃ!”

気持ちばかりがあせる。目がぐるぐると回ってきた。
とりあえずで、大きな道を走りながら周り見渡していく。

そして、迷ったあげくたどり着いた先はオアシス広場である。
オアシス広場では先輩である文族のでかあさと、同じ日に国民となった赤松遠心がポスターを見ながら話していた。

ようやく先輩を見つけることができた!ジョンは息を整えながら、
「なにか自分に出来ることとか、ありませんか?」
二人が同時に振り向く。赤松遠心は不安そうな顔。でかあさも少し落ち着かないようだ。

しかし、そこは先輩だ。すぐに表情を和らげ、
「もちろん二人には期待してるわ♪ ここは小さな国なんだから、みんなで力を合わせないと、ね。でも無理はダメよ。いざとなったらシェルターに逃げないと」
と、後輩二人に向かって笑顔で、かつ、せくし〜〜な声色で話す。

それを見て、あせっていた気持ちがすっと落ち着く。さすがは先輩だ。
そして、ジョンはフィーブル藩国へやってきてからの事を思い返した。

小さいながらも活気のある街並み。
小さいながらも王として努力し続けているフィーブル様。
商店街の優しい店主達。可愛らしい猫人達。
穏やかな生活を送る愛すべき人々。愛すべき国。
この国が滅んでしまうのは間違っている。
そんなことは、許せることではないんだ。
この国に来たばかりであるが、すでにジョンはこの国が大好きだった。
決意新たに、自分ができることを懸命に考え出す。

「とりあえず今は、待機がオシゴト。それと、落ち着かないと、ね♪」
でかあさは、ポスターのフィーブルを優しく撫でて、笑みを浮かべた。
そして、何か思いついたように素の表情になって、ポスターを剥がし始める。

「え、ええと? でかあささん?」
尋ねる赤松遠心。
「そのポスター、どうするんですか?」
同時に、ジョンも聞いていた。二人とも訳が分からず呆然としている。

ポスターを綺麗に丸めて回収すると、でかあさはセクシーポーズで、

「ひ♪ み♪ chu!」

二人に投げキッスした挙げ句に、ポスター持って踊りながら去っていった。脱力する二人。同時に二人は同じ事を考える。

「通報しましょう」
「そうしましょう」
 
=***=

赤松遠心に、政庁の場所を聞いたジョンはまた歩き出した。
歩きながら考える。今の自分にできることはないんだろうか?
きっと、政庁に行っても見習いの自分では、まだ役に立てないだろう。
絵心もなく、この世界に来てまもない自分にできること。

「文章を書くことくらいかな…やっぱり……」

今まで、たくさんの本を読んできたのだ。文章なんて書いたことないけど、頑張ればできるかもしれない。

「よしっ!やるだけやってみよう!」

思いついたら即行動な人であるジョンは、住処に向かって走り出した。
引っ越したばかりの家には、今日買ったばかりの鉛筆とノートがある。
イベント09、ちょうど天領では各国の文章を募集している。

少しでもいいから、藩国の役に立ちたい。
ジョン=ウォーカーはさらに急いで、走ってゆく。

(文:ジョン=ウォーカー)

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2007/02/06 21:03

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