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zoom RSS それゆけ! 北海島アイドレス解放戦線! 第二回

<<   作成日時 : 2008/01/31 08:38   >>

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 目が覚めると、ホテルフィーブルの天井が見えた。

 東国人のクーガは、ぼんやりと起きあがって、何故こんなところにいるのか思い出そうとした。
 ……すぐに思い出したことを後悔する。寝直してしまいたい気分。

(そうだった。なんだかよく分からないキラリコさんに騙されたんだった)
 どうしようか。とりあえず藩国には数ヶ月ほど白兵戦闘の教官として軍の施設に滞在するという話になっていたのだが、
嘘だったので仕方なくクーガ君は自費でホテルに泊まっているのだ。
 お金がそんなにあるとはいえないクーガは、その日の宿泊費だけを払っている。お金が尽きたらアウトだ。

(もう藩国に帰ろうかなあ。やることないし。ああでも)
 キラリコに騙されて契約書を書かされていたのであった。
 適当にサインしてしまったのだが、もしかすると勝手に帰ったら酷いことになるかも知れない。

(なんとかあの契約書を奪えれば……)

 ……それにしても、あの話。
 この世界が作り物の虚構の世界であり、自分達がNPC?
 そんなことが、あるのだろうか。クーガは頭を振った。馬鹿馬鹿しい。

「この世界には、秘密がある!」
 跳ね起きるクーガ。刀を手にして周囲を警戒する。

「それは、この世界が虚構の世界であり、謎のプレイヤー達によって私達がNPCとかいう存在として支配されているという事実! 今日も真実を追い求め、奴等プレイヤー達と壮絶な戦いを繰り広げる正義の組織! それが!」

 どこからともなく聞こえてくるナレーションに、クーガは頭を押さえた。
 しゅるしゅるという音。窓のほうを見ると、ロープで降りてきたキラリコが窓から部屋に侵入してきたところであった。猫アイドレスは侵入行為が出来るのである。

 西国人の灰色の髪に、猫耳、猫尻尾のスーツ姿。
 フィーブル藩国でも屈指の不良役人は、堂々と叫んだ。

「それが、北海島アイドレス解放戦線なのよ!!」
 宣戦布告するように、キラリコは天に拳を掲げた。


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<それゆけ! 北海島アイドレス解放戦線! 第二回>


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 フィーブル藩国中心地区。政庁へ通じる大通りの公園を、オアシス公園という。
 その公園のベンチに、クーガとキラリコの姿はあった。キラリコは瞳を燃やして、拳を握り締めている。

「というわけで! 今日も奴等プレイヤー達の手からアイドレス世界を救うために頑張るわよー!」
「……なんでこの人は、こんなに元気なのかなあ……」
 もう開始直後からぐったりした様子のクーガ君。

 いや、まあいい。あの契約書。あれさえどうにか奪うことが出来れば。
 目標を決めるとやる気が出たのか、クーガは気分を切り替えた。とりあえず今は適当にキラリコさんに合わせるとしよう。

「それでキラリコさん。今日は何を爆破したり破壊したりするんですか?」
「ちょっと! 人を犯罪者みたいに言わないで貰える? そんな物騒なことばかりするわけないじゃない! 正義の組織なのよ! それにこう見えても私は、昔はおしとやかだったね、ってご近所さん達からよく褒められるくらいなんだから!」

 それは褒めてない! どう聞いても現在を嘆いてるし!
 盛大に突っ込みたいクーガ君であったが、それはそれで話が長くなりそうなので自重する。
 ……隙だ。どうにか隙を見つけて、契約書を奪うのだ。

「で、今日はね。この世界が虚構の世界だということがまだイマイチ理解できてないクーガ君のために、ひとつスペシャルなゲストの方に登場してもらって、一緒に楽しく実験しましょうとか思ってたんだけど……」

「ゲストに、実験?」
 小首を傾げるクーガ。
「それだけ聞くと何か楽しそうですけど、どんな実験なんですか?」
 よくぞ聞いてくれた! とばかりに拳を握るキラリコ。目が輝いている。

「大気圏から猫先生を落としても無事に着地できるのかを……」
「やるな! そんなもんやるなっ! 小銭落としたみたいに言うな!」
「ドラゴンスレイヤーをコンクリで固めて海に放り込んでも本当に死なないのかを……」
「死ぬから! 普通に死にますから! というか全部、物騒なこと極まりないじゃないですかー!?」

 当初はその着用アイドレス着てる方をメッセでお呼びして、キラリコに実験されるロールをしてもらって、それを載せてしまおうとか思っていたものの、よくよく考えたらあまりにも酷い話なのでボツになりました(笑)

「というわけで実験は中止よ。まあ、現実的に宇宙船は用意できないしね」
「そ、そうですよね。でも、まあそうやって空想するのはいいことだと思いますよ」
「……宇宙船は難しいわよねえ。やっぱり」
(コンクリは既に用意していたというのか……)

「まあ仕方ないから、今日はこの世界のどこかにいるはずのプレイヤーを探しましょう!」
「……え? 探しましょうって、見つけたことがないんですか? いやまあ、自分もないですけど」
「だって表向きは普通の国民を装っているのよ。私達には分からないじゃない。一体何人くらいいるのかも不明だし。
全然、本当に、まったく手掛かりが無いわけなのよ! くそう、ええい奴等めー!」

 悔しそうに地面をげしげし踏むキラリコを見て、クーガは溜息を吐いた。
 それにしても、この人はプレイヤーに何か恨みでもあるのだろうか?

「……あ。そういえばキラリコさん、フィーブル藩王と摂政がプレイヤーがどうこう話しているのを聞いたって言ってませんでしたか? これって結構手掛かりなんじゃ……」

「あ。そっかそっか。なるほど、あの藩王をラチカンキンしてゴーモンすればいいわけね!」
「朗らかに何言ってるんですか!? ぜんっぜん正義の組織じゃないですからっ!」
 やあねえ、冗談よ冗談。けらけらと笑うキラリコ。

「藩王や摂政を拉致するには、さすがにクーガ君ひとりじゃ厳しいもんね」
「そういう問題じゃないです! というかやりませんからね! 絶対嫌ですからね!」
「ふっふっふ。そんなことを言える立場なのかにゃー?」

 すすす、とスーツの内ポケットから書類らしきものを取り出すキラリコ。
 一瞬だけクーガの目が細められる。例の契約書であった。

「違約金は30億わんわんにしておいたわ」
「藩国を人質に取られた!? というか金額でかっ!?」
「まあそれはそれとして、これからどう動こうかしらねえ。クーガ君、なんかいいアイデアある?」
「……いや、そこはもう少し話し合うべきだと思うんですけど……ええと。そうですね。他の北海島アイドレス解放戦線の人達も呼んで、なんか引っかけイベントみたいなのをするというのはどうですか?」

 とりあえず意見を言ってみると、キラリコは急に神妙な表情になった。
 なにかを考えるように口元に手を当ててから、窺うように真っ直ぐクーガを見つめる。
 動揺するクーガ。修行ばかりしていたせいか女性に慣れていないらしい。

「……な、なにか問題でも?」
「まだ第二回なのに、三人目の同志を探すというのは展開的に早すぎないかしら?」
「二人なのか! 解放戦線とか言いつつ二人だけの組織だったんですか!?」
「少数精鋭と呼んでもらいましょうか」
「いや、そこは胸を張って言うところじゃないと思うけどなあ……」

 むー。と唸るキラリコ。
 雲ひとつない青空を見上げて、軽く溜息。

「……何故プレイヤー達はこの世界を支配しているのかしら」
「それは、やはり理由があるんじゃないですか。世界支配なんてそうそうやる気にならないと思いますし」
「ということは、つまり偉い人が実はプレイヤーなのかしら?」
「うーん。もしそうなら陰謀モノっぽい展開ですね」

「実はニューワールドの藩王や摂政が、全員プレイヤーだったりとか?」
「それなら参謀長や吏族の尚書、法官や護民官のトップも可能性がありますね」
「……ひょっとして、馬鹿にしてない?」

 ジト目で見られるクーガ。実はそう思っているのだが、それを口に出してはいけない。
 ごほんと咳払い。瞳に炎を燃やし、拳を握り締めてキラリコの真似をする。

「い、いえいえ、ありえるかも知れませんよ! 実は藩王も摂政も吏族参謀法官護民官星見司秘書官、全部全員みんなまとめてそのプレイヤーとかいう存在で、この世界を支配しているのかも知れないです!」

「あのね。そんなわけないでしょ」
 一刀両断。えー、という顔になるクーガ。
「というか冷静になりなさい」
 あんたが言うな! あんたが言うなぁぁ!!

「いい? この世界は虚構のもので、それをいいことにプレイヤー達が好き勝手にしているのかも知れないけれど、
藩王や摂政や吏族参謀法官護民官星見司秘書官、みんな一生懸命に頑張ってるじゃない!」
 キラリコは、クーガに詰め寄った。

「共和国もうダメだー、帝国もう終わったー、みたいな事件が起きてさ。私も、もうダメだー、と思って涙目で自棄になって死ぬ前に一度でいいからやってみたかったホテルフィーブルの一階にあるマジ美味いレストランの魚料理全メニュー制覇とかしたけど! あとで体重計に乗って絶望したけど! 彼らは絶望したり諦めたりせず頑張ってたじゃない! もしも彼らがいなければ、こんな世界100回くらいは滅んでるわ!」

 そう語るキラリコの瞳は、とても自信に満ち溢れていた。
 それはまるで、彼らを語ることで、弱い猫の自分にも勇気や誇りが生まれてくるかのように。

「この場合、普通の国民の方はどうなるんですか?」
 詰め寄るキラリコから距離を取って、クーガは言うと、
「怪しいわね。恐らく、プレイヤー達は普通の国民である可能性があるわ!」
 めちゃくちゃ贔屓であった!

「むむ。そういえば、クーガ君……」
 ふと、急に目付きを鋭くするキラリコ。
 今度はなんだろう。きょとんと見返すクーガ。

「貴方って……実はプレイヤーなんじゃないかしら!」
「いやいやいやいや! さすがにそんなことはないですから!」
「いえ、怪しいわ! 思い返せば、遠い帝国からこんな小国までやって来ることが怪しい!」
「あんたに呼ばれたんだぁぁぁぁ!!!」
 叫ぶクーガ。叫ばずにはいられない。

「よろしい。ならば試練よ!」
 ベンチから立ち上がり、クーガにびしっ! と指を突き付けるキラリコ。
「もしも、この試練に破れるというのなら……私は、貴方をプレイヤーとして処刑するわ!」


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 最初に、闇があった。
 暗くて先も見えない。何も聞こえない。何も始まらない。

 しかし。まさにこれから始まるのだ。
 闇の中で、キラリ・キラリコが口を開いた。

「……どこかの藩国が、やりそうだけどやらなかったこの企画。もうベッタベタ。だからこその盲点。まさに鳶が油揚げをかっさらうが如く……我が北海島アイドレス解放戦線が貰ったぁぁぁぁ!!!!」

 無数に輝くスポットライトが、暗闇を吹き飛ばす。
 そこに現れたのは、光り輝く夢のステージ。

「第一回! 飛び出せ! アイドレスウルトラクイズー!!」

 じゃんじゃかじゃんじゃんじゃーん! じゃじゃーん! じゃん!
 安っぽいが賑やかなBGMが流れた後に、『この番組は、よりよい真実と革命をニューワールドにお届けする北海島アイドレス解放戦線の提供でお送りします』 の立て札を持ってキラリコはカメラ目線でウィンクした。

「……え? なに? なんですかこの空間は!?」
 あまりの展開に意識が飛んでいたクーガ。我に返えると、ちゃんと解答者席に座っている。
「ここはフィーブル放送協会、FHKのスタジオよ! たまにしか使われないから貸してもらったの!」
「わざわざスタジオを借りた意味は!? どうやったらそんな簡単に貸して貰えるんですか!?」
「もはや問答無用!」

 司会者席で、拳を握り締めるキラリコ。
 踏み絵の時間が来たぜ! とばかりに獰猛に笑う。

「さっそく行くわよ! まあ、だいぶ基本的な問題ばかりだから、そんなに難しくはないと思うけど。ちなみに言っておくけど、カンニングは処刑だからね! 記憶力で勝負しなさい! ズルしてもすぐに分かるんだから! 昔から私は、ちっ! 勘が鋭い子だねぇ! って何度も母親から褒められてるんだから! 」

 どう聞いても憎々しげに舌打ちしているのだが、あえてクーガは突っ込まない。
 まあ、いっか。適当に答えて適当に終わらせよう。そんな表情である。

(……それに、こう見えても自分は基本的なアイドレスの知識はあるんだ。修行する関係でどういうアイドレスがあるのかも調べたし、藩国の財政状況やニュースも新聞を読んでるから少しは分かる。I=D関連については専門外だけど、基本的な帝国の機体なら結構分かるはず……!)

 ちょうどいい。今こそ修行の成果を見せるのだ。
 そしてキラリコさんの信頼を得て、隙を見て契約書を奪う……!

「じゃあ行くわよ! 問題!」
 真剣な眼差しで、クーガは問題を待ち構えた。


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「第一問! わんわん帝国シロ宰相の着用アイドレスをひとつ答えなさい!」
「第二問! にゃんにゃん共和国タマ大統領の着用アイドレスをひとつ答えなさい!」
「第三問! ゴロネコ藩国の王猫の名前を答えなさい!」
「第四問! 建国時に、『我らは正義のための騎士だ』で始まる宣誓を行った藩国はどこか答えなさい!」
「第五問! 地図に、あばら家型擬装要塞アバラーヤがある藩国はどこか答えなさい!」
「第六問! 藩国サイトのトップページに超格好いいエステルのイラストがある藩国はどこか答えなさない!」

 解答席に肘をついて手で顔を覆う感じで。
 クーガは頭を抱えた。


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「……時間よ。解答出せ!」

 クーガは結局、第三問と第四問しか正解しなかった。
 ジト目のキラリコ。クーガは勢いよく手を挙げる。

「異議あり!」
「はい、クーガ君。どうぞ」
「キラリコさんの基本について小一時間ほど話し合うべきだと思います」
 だいぶストレートな意見を言ったつもりだったが、キラリコは、ふふんと笑って腕を組んだ。

「どのへんが? とりあえず言ってみて」
「一問目と二問目とか、まず知らないですし! あと六問目とかよく分からないです!」
「OK! その通り! よくぞ見抜いたわ!」

 キラリコは破顔一笑。
 え? と間の抜けた顔になるクーガ君。

「最後の第六問こそがプレイヤーを見極める罠! これに正解した瞬間、貴方はプレイヤーとして北海島アイドレス解放戦線に処刑される運命になっていたのよ! だって藩国サイトって何? が普通だし!」

「……えーと。なら何故、キラリコさんは問題に出せるんですか?」
「ふふん。フィーブルの藩王と摂政がプレイヤーについて話してた時の話題がそれだったのよ。なんか『エステル可愛いよエステル』とか言ってたけど、多分あれは暗号か何かだと思うわ!」

「はあ。よく分かりませんが、そうなんですか……」
 とりあえず信頼は得られたが、なんだか釈然としない表情のクーガ君。

「ちなみに聞きますけど、第一問と第二問の解答って何なんですか?」
「……え? んー? なんか宰相とか大統領とかじゃないの?」
「あんたも知らんのかいっ!?」
「まあ、クーガ君がプレイヤーじゃなくて良かったわ」
 キラリコは、心底安心したように、笑った。

「今まで私って、味方いなかったから」

 それはキラリコさんの性格に問題があると思います。
 心の中の微妙に大事なものを失う代わりにそう言ってしまいたかったが、クーガは言わなかった。
 口にしたのは、別の言葉である。

「……キラリコさんは、何故そんなにプレイヤーが憎いんですか?」

 キラリ・キラリコの微笑が消える。
 そこにあるのは、いつもの暴走気味な彼女ではなかった。
 どこか沈痛な面持ちで、しかし瞳には炎が宿っている。静かな怒りの色の輝きが。

 クーガは沈黙する。キラリコは押し黙る。
 二人きりのスタジオで、しばらくの間、見つめ合った。


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「例えば」
 キラリコは口を開いた。

「例えば、帝国と共和国。本当は仲良く手を取りたいのに、争わなければいけなかった国民達」
「例えば、オーマの侵攻。襲撃で犠牲になった街の国民達。余興で殺された国民達」
「例えば、それらと無関係な組織。よく分からない事情に巻き込まれて、よく分からないうちに死ぬ国民達」

「……それらが全て、プレイヤーのせいとは限らないじゃないですか……」
「そうかも知れないわね。そうじゃないかも知れないけれど。でも、私は思うのよ」

「奴等は、私達なんてどうでもいいんじゃないかしらって。私達と同じように暮らしながら、でも本当は虚構の世界だから、いざとなったら簡単に見捨てたり、殺したりするんじゃないかしらって。奴等はただ単に自分達がこの世界でやりたい放題できればいいだけなんじゃないかって。それが、なんだか凄く腹が立つのよ。 ……私達は、生きてるのに……」

「だから私は、真実を見つけないといけないわ。奴等を見つけださないと」
「プレイヤーを見つけだして、それでどうするんですか?」
「……決まってるわ。ぶん殴るのよ」

 ゆっくりと、拳を握り締めるキラリコ。
 そこに自分の想いの、全てがあるかのように。

「私達が、ここにいる、ってことを。奴等に教えてやるのよ」
 酷く爽やかだが、とても不敵な笑みを浮かべて、キラリコはそう言ったのだった。


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 ホテルフィーブルに戻ったクーガは、ベッドに横になって考えた。

 動揺していた。あの後、キラリコと別れてからずっと、クーガは意味不明の動揺に襲われていた。
 クーガは考える。キラリ・キラリコは病気だ。あの人はいもしない幻想に反逆しようとしている。

 それは結局のところ、ただ自分達の存在を伝えたい。それだけのために一人で行動しているようだった。

(……つまりは、自己主張が激しいだけじゃないのかな……)
 そう思おうとするクーガ。そう思いたかったが、キラリコの眼差しを思い出す。
 何故だろう。あの眼差しが気になった。今までずっと修行だけしていた自分が、知らない眼差し。

 クーガは思い出す。厳しい修行のことを。
 孤児として連れてこられて、山の中、夏の日も冬の日も修行に暮れていた日々。
 なぜ自分は、あんなに頑張って修行していたのだろうか。

 帝国のために。そうだ、いつか帝国のために、この剣を振るおう。そう思っていた。ずっと。

 でも、なぜ帝国のためなんだろう?
 厳しい政策で潰れた藩国。両親に捨てられた自分。
 想い出はいつも修行していたことばかりだ。なのに、なぜ?
 なぜ、あんなに頑張れたんだろう。今の藩国に恩を返すというのもあるけど。ああ。

(……そうか。自分は、誰かに認めて欲しくて……)

 それを、プレイヤー達は否定しているのかも知れないと。そう言っているのだろうか、あの人は。
 プレイヤーが存在するとかしないとか、世界が虚構かどうかとか、そんなことは分からない。
 ただ、キラリコは、恐らく自分も含めた全てのNPCのために怒っている。本気で怒っているのだ。
 自分とは違う。ずっと自分は、自分のことだけで精一杯だった。だから。

 ……だから。だから、なんだろう。
 クーガは意味不明の動揺を、そのままにして、眠りに就いた。


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 まあ、そんな感じで。
 北海島アイドレス解放戦線の戦いは続く。


 → 第三回



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 おまけ。アイドレスウルトラクイズ解答。

第一問解答 宰相+ゲームデザイナー+星見司処長官
第二問解答 森国人+吏族+星見司
第三問解答 ゴロネコ
第四問解答 暁の円卓藩国
第五問解答 ナニワアームズ商藩国
第六問解答 FVB

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