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zoom RSS 作ります!?夢のマシン!?フィーブル重機!

<<   作成日時 : 2010/01/08 19:22   >>

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 <フィーブル>と言う名がある。
 人によっては、それはブランドの名であったり、魔術の名であったり、作品の名であったり、人の名であったりする。
 だが、一部の者はこう応えるはずだ。国の名であると。
 それは藩王がダメダメだったり、国民数が少なかったり、常に金欠だったりといった様々な理由で常に滅亡の危機に瀕している万年WCOの国の名前である。今にも消えそうなほど弱々しいという様な意味を持つ名である為、ある意味名前通りではあるのだが、内的要因より外的要因で消えそうな気がしないでもない。


 ……だが、もっともっと一部の酔狂な者は、こう応えるのだ。

「フィーブルとはマシンメーカーの名である」

 と。

 それはとてもとても古い店である。
 営業開始は、NW時間で言えば、恐らく70年以上は前である。
 それはたった1機の機動兵器を戦場に送る為に運営を傾けて増加ブースターを作ったり、1発撃つと壊れる機動兵器5機分のキャノンを作ったりする会社である。あと家電製品も作る。

 その存在は、リアルな話をすれば、唯のゲームバランス調整装置なのだが、それでは大変つまらない。だから、もっと夢のある言い方をしたい。それは<希望を作る会社>である。
 その存在はフィーブルクランの集大成であり、笑顔の敵を滅する事を第1の目的とした。今思えば、それは災厄ばかりが降りかかる世界観へのGMの反逆であったのだろう。

 今はもうあの世界へのゲートは閉じてしまった。恐らくはもう営業を再開する事も無いだろう。
 だが、その会社の経営者はよしておけばいいのに暇なので、他世界への営業展開をする事を決心した。
 NW支店商品第1号「流星号にゃんにゃん共和国仕様」を引っ提げて。





 フィーブル藩国という国がある。消えそうで消えない国である。
 今では、不毛の砂漠に稲が揺れ(執筆時点で。回復する事を願う)、リゾート施設があり、にゃんにゃん共和国の情報戦を担う中華?の凄いカオスな国になっている。

 それは建国時<何処かの誰かの笑顔の為に戦う技術の国>であった。もう面影は余りない。

 だが、もし、幾度もの戦乱や荒廃・復興を経て今でも日本下町の江戸っ子の様にフィーブル気質が息衝いている場所があるとしたら、それは何処か?
 答えは、勇者企業(たぶん有限会社)フィーブル重機に他ならない。
 何故なら、そのルーツは藩国より古く、下手をすればこの会社の土台から藩国ができたとも言えるのだから。
 そう、勘違いしてはいけない。フィーブル藩国にあるからフィーブル重機なのではなく、フィーブル重機があるから、フィーブル藩国なのである。……もっともそれを知る者はいないし、当然そうなれば、それにこだわる者もいないので、既に形骸化しているのだが。

 昔は企業グループだったが、今は独立し、重機の販売を専門に手掛けている。設計開発を手掛けたコンバインハーベスター・ムラサメは現在も現役稼働中である。

 そんなフィーブル重機の会議室では今日も従業員達が頭を捻っていた。

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「はぁ……」

 机の上に散乱する様々な企画書。本人達にしか読めないであろう文字でメモが書き込まれている。
 明らかに年代物のホワイトボードにも端から端まで何やら議論の跡。
 I=Lのデザイン会議だった。見るからに行き詰っている。参加者の顔にも疲労の色が濃い。
 激論を通り越して、もうどうしようかという感じの空気だったが、扉の向こうからこの場には少々不釣り合いな声が聞こえた。

「どんな感じですか〜?」

 見た目10代前半。ショートカット。ツナギ。手にお茶の乗ったお盆。男っぽい少女の様にも、女っぽい少年にも見える。

「ああ、お嬢、どうも。見た通りです……」

 少女らしい。

「そんなに疲れてちゃ、思いつくものも思いつかなくなっちゃいます。少し休んだ方がいいですよ」
「まあ、そうなんですが、もうとっくに応募期限は過ぎちまってる。幸いまだ締め切りはのびのびになってますが、何時打ち切りになるか分かりませんしね。気が焦っちまって」

 お嬢と呼ばれた少女は、各々にお茶を配って代わりに机の上から的確な企画書の1枚をピンポイントで拾い上げた。

「農業用、汎用普及型、自律防衛型、電子戦型……」

 どれも良さそうですけど?ペラペラめくりながら誰にともなく言った。

「駄目だ」

 奥の仮眠ベッドで寝転がっていた男から速攻の駄目だしが入った。よっこらせとか爺臭い事を言いながら起き上がる。何故か白衣である。あ、寝癖。

「農業用は既に開発された。汎用普及型はコストが足りない。例え素体ができても、うちじゃオプションパーツの開発ができない。つまり器用貧乏という名の無能。昨今は特化以外通用しないしな。今まで標準化を目指してそれを成せずに消えた商品は多々ある。自律型は、需要と言う点で悪くないが、ハッキングと暴走の危険が付きまとうし、正直戦力として怪しい。電子戦型は政府の方で開発計画があるらしい。」
「つまり、全部ペケって事です」

 責任者っぽい男が言葉を継いだ。

「う、うーん…アンケートはどうなってるんですか?」
「こんな感じです。」

 陣地構築能力が欲しい。銃座の設置を。装甲板のオプションを希望します。対魔術防御能力が必要です。
 全部ムラサメ用である。

「な、なんですか、これ」
「見ての通りです。ちなみに本来の用途での使用に関しては良過ぎるくらい良好です。」
「もう何がなんだかわかりませんね……農業用重機で戦うなんて……」

 ちょっと少女思考中。

「そうですよ、いっその事こうしちゃえば万事解決ですよ!
 トラ○スフォーム! さぁ、戦いだ!(キリ)」

 指で銃を構えるポーズをとりつつ。

「トラン○フォーマーの利便性が証明された!しかし、とても魅力的だが、心を鬼にして却下せざるを得ない」
「いや、あの、冗談っていうか悪ふざけっていうか……ごめんなさい」

 本当に残念そうな白衣。

「あのお爺ちゃんが言ってたんです。こう言う時は、取りあえず作りたいものを作っちゃえば良いって。悩んでる時間にできてしまうからもったいないだろって。そうしたら、役に立つかは別にして<良いもの>は間違いなく出来るって。どうせ役に立たないんなら、いつかは役に立つものを作るべきとかも言ってました」
「凄い……何というか大雑把な感じですね」

 リーダーっぽい男が、苦笑混じりに言った。

「じゃあ、社長であるお嬢がああ言ってる事だし、ここはそれっぽいものでも作りましょう」
「それっぽいものは、何か?」
「救助機に決まっている」

 その点に関しては、誰一人として反論する者はいない。良い歳した男達が、おもちゃの箱を開けた時の様に目を輝かせていた。面白そうないたずらを思いついた感じでもある。

「決まりだな」

 それが作業開始の合図だった。

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