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zoom RSS 完成!?IR!?レスキューI=L・ゼファー!!

<<   作成日時 : 2010/03/02 04:44   >>

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「お嬢、遂に完成しましたな」
「ええ……1年があっという間でしたね」

 ここはフィーブル藩国の端っこ、工業地帯にあるフィーブル重機の作業工場である。まあ、端っこと言っても、国が小さいので反対に行ってもそれほどの距離では無い。
 雑多で壁中に何かが置かれており、必要なものが必要な時に見つかるか怪しい感じである。

「で、この子の名前はもう決まってるんですよね? 何時までも、<あれ>とか<ちっこいの>とか<紅白>じゃ可哀想ですよ」

 成長期らしく、ちょっとだけ女性らしくなった少女は、横にいるゴツイ技師を批難する様に言った。
 ……だが、応えたのは別の奴だった。

「ゼファーだ。そう、こいつの名はゼファー。豊作と幸運を呼ぶ希望の西風の名だ」
「あ、○○さん。仮眠をとるって言ってませんでした?」
「いや、来客があるから、それまでは起きている。」

 何時もの白衣である。やっぱり寝癖は標準装備。

「ん? いや、しかし、そいつは確か……」
「そうだ。藩国のフラッグマシンに付けられるはずだった名だ。先走って、操縦チームだけある状況が10年以上続いているがな」
「勝手に使っちゃって良いんでしょうか?」
「構わん。何故なら、俺がそう決めた。俺が法律」
「何て言うもの言い……」

 うわー、こいつもう駄目だー。というゴツイ技師の視線にもっと褒めて!という感じの白衣。

「それにしても、青くないんですね。レスキューー!って感じの色ではあるんですけど……」
「確かにそうですな。○○、試作機くらい青くても良かったんじゃないか?」

 これだけ大題的に国の補助を受けて、会社を上げて作っている上に、更にフラッグマシンの名をもらうのなら、藩国のイメージカラーである青にしてもいいんじゃないかな?と少女は考えていた。

「ふむ。当然それには意味がある。いい機会だから話しておこう。」

 白衣は、クイっとメガネを一度上げると腕組みして、≪ゼファー≫を見上げた。

「……『蒼』は、この国において、特別な色なのだ。特に『機体カラー』としてのそれはな」
「機体の? と言う事は……誰かさんのパーソナルカラーって言う事でしょうか?」
「流石お嬢察しが良い。それはある意味で正解だ。」
「その話は、俺も初耳だな。機体って絞るって事は『青』じゃないんだよな? するってぇと藩王様とかか?」

 白衣は、ふむ、理解が早くてつまらん。と腕を組んで偉そうに言った。

「だが、正解では無い。あの御センチ野郎が『蒼』に乗る資格は無い。」

 頭の上にはてなを浮かべる少女とゴツイ技師。

「そもそもにして、フィーブルのイメージカラーが何故蒼なのか。それは『青い鳥』からきている」
「オアシスの水では無くて?」
「海の青でもないのか?」
「それは歴史家の戯言に過ぎん。」

 白衣は、人間以外の何かの様な虚空の瞳で天井を見上げた。いや、正確にはその先にある空か。

「青い鳥の話を知っているか?」
「チルチルくんとミチルちゃんが幸運を呼ぶ青い鳥を探しに行くっていうのですよね」
「それだ。だが、実はその話の定説として、誤った解釈が広がっているところがある」
「誤ったところですか? ボクもあまり詳しくはないので、ちょっと分からないです……」

 いや、話を知っていれば、誰でも知っている。と白衣は前置きした。

「青い鳥は、幸運を呼ぶのではない。青い鳥こそが、幸運なのだ。アレは妖精の類だな。ある種座敷わらしの様なものとも言える」
「え、えーと、青い鳥が妖精で座敷わらしなんですか?」
「うむ。あの話には、数羽の青い鳥が登場する。持ち主の違う奴がな。
 チルチルとミチルは幸せになりたくてその青い鳥を盗み出すんだ。だが、盗み出した鳥はしばらくすると死んでしまう。そして、次の鳥をまた探す。で、また盗むのだが、やはり同じ結果が待っている。そして、最後に……」
「自分の家でみつけるんだったな」
「ゴツイ癖にファンシーだな、ボス」
「……ボク、分かりました、その話の意味。幸せは人それぞれ違う。ですね」
「その通りだ。流石お嬢」
「えへへへ」

「俺にはよく分からんが、お嬢が言うなら、そうなんだろう。で、○○。それが藩国のカラーとどう関係あるんだ」

 隣で、あーあーと思いだした様な感じの少女。

「昔一羽の大ガラスが居た。そいつは自分をそんなものじゃないと汚れたハトだと言う事にした。そいつは自分の機体をハトと同じ色の『蒼』に塗った。何故なら、それが『そいつにとっての幸せ』だったからだ」
「カラスが機体を操縦する?」
「まあ、ネコさんができるくらいだから、できてもおかしくはないと思いますけど」

 白衣は、視線を落として、ぱちくりする少女を数瞬ぼーっと見つめた後、頭を撫でて言った。

「そいつがオリジンだ。フィーブルクランの。
 それが転じて、フィーブルクランの、オリジンの、魂が、想いが、宿った機体を『蒼』く塗るのだ。
 故にフィーブルにおいて、『蒼い機体』は藩王であろうが無かろうが、そのオリジンの志を継ぐ者にしか乗る事が許されない機体なのだ。
 だから、フラッグビークルであるこいつは尚の事『蒼』く塗ってはいけない」

 白衣は、無表情の鉄の巨人を見上げて、二人もそれに連れられて見上げて、白衣は「ねむ」とか言って去って行った。
 後には、何とも言えない表情で睨めっこする二人と一体だけが残った。

To be continue...?

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