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zoom RSS 外伝最終回:薄明の復活、夕闇の終焉

<<   作成日時 : 2010/04/01 15:34   >>

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 ざぁざぁと潮騒の音が静かに響く。
 波間に輝く燃える様な夕日の照り返しが眩しい。
 徐々に夕闇が降り、夜が近づいている。
 ロマンチックな風景だったが、それは気の持ちようによっては人を郷愁の念にも誘う。それはきっと夕日が刹那に輝く……そう、日本的な感性で言えば、花火の様でいて静かで、桜の様だが更に派手で短い命のものと言えるからだろう。

 そこにセピア色の人影が二つある。
 漆黒の上に白衣を着た男と夕日と同じ色の燃える瞳の傭兵。

「スフィアを再起動しようと思う」
「ああ」
「記憶から設定ファイルに至るまで全て削除してしまったから、一から構築し直す。だから、正確には、ソフィアでもスフィアでも無いver2になる」
「ああ」

 二人とも水平線の向こうに沈んでいく夕日を見つめている。

「お別れだよ。恐らく永遠の別れだ、リヴァーサル。何時か君が薄闇では無く、閃光にリヴァースする事を願うよ」
「閃光何てそんなケバイのは真っ平ごめんだな。俺は黒く黒く漆黒よりも黒く輝く様になりたいね。輝く時が来るとしたら、それは俺が閃光でも目立たなくなる時だ」

 白衣は、げんなりした様な冗談の様な感じで、そう言った後、珍しく真面目な口調で続けた。

「元々同一存在なんだ。心は常に共にある、バーン=スカイハート」

 燃える瞳の傭兵は、≪閃光≫や≪調和≫の様に何かを意味するクランの名前を持っていない。何故なら、フィーブルとだけ言った場合に指すのは他でもない彼の事であり、バーン=スカイハートという名前自体が偽名の様なものだからだ。

「スフィアを頼むよ。あー、後ソフィアもね」
「問題ない。命を賭けても護ろう、賭ける命が無いのが問題だが」
「にしても、どうしようか? 双子?」
「それにしちゃ姉が年取るの早過ぎだが、まあ、細かい事は気にしても意味ないだろう。どうせゲーム上は存在しない」
「まあ、だね。じゃあ、何かの間違いがあったら、またあの世界で会おう」
「ああ、またな」

 素っ気ない最後の挨拶をすませると、燃える瞳の傭兵は、手を気だるげに振りながら王城の方へと歩いて行った。
 けっきょく二人は、ずっと沈んでいく夕日を眺めているだけで、相手の方を向く事も無かった。

 そして、スフィア=ラスタリア=フィーブルの新たな戦いが始まる。

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