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zoom RSS フィーブルクラン(人):第2章

<<   作成日時 : 2011/06/05 02:41   >>

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第2章

第2章 ニューワールドへ


 ここからは、アプローの涙、そしてアイドレスの話である。
 故に、ここからは御伽話ではなく、歴史である。



 クランのメンバーは何時もの様に戦っていた。
 壊滅しても残党が全滅する事はない。弱々しいが、ゼロではないが標語である。
 そこは何時もの様に、あちこちの世界と同じ様に、悲しみが幅を利かせ笑顔が押しつぶされるそんな世界である。夢が夢のままであり、未来が殻を破ろうともがく、そんな世界。名を無名世界と言う。

 クランは、ミッションでRBが必要とされた事をこれ幸いと、久しぶりに工場を全力稼働させていた。
 この時のクランの名を有限会社フィーブル重機と言う。既にグループでも株式会社でも無くなっていたが、志の輝きだけは変わらぬどころか増してさえいた。
 過激派のリーダー(元摂政)などは、これ以前に火星の海でセプテントリオンに無謀な戦いを挑んだりしていたが、クランとしての仕事は、これが初めてであった。完成したRBのスペックは、予測値を遥かに超えるものであり、初仕事としては十分過ぎる結果であったと言えるだろう。

 だが、これがクランのメンバーを大いに悩ませる事となった。
 その内容とは、『こいつを何処に売りこむか』である。

 ぱっと見渡すだけでも、ヒーローはこの世界に溢れている。ならば、彼らに託せば良いのではないか?その意見は勿論あった。だが、それを迷っていた。理由は、それがフィーブルブランドのマシンだったからであるし、本格的な介入を行う良い機会だったからでもある。

 我々では力不足ではないか?武力で解決できない敵を倒せるか?彼らは悩んだ。
 フィーブルクランの面子は、その目的に反してというか、目的から分かる通りというか、概ね馬鹿である。理屈は捏ねるが、頭を使うのは苦手なのである。
 ……だが、一様に分の悪い賭けが大好きであった。やっぱり、馬鹿なのである。

フィーブル藩国旗
 よって、本格介入を決定した。
 令嬢の同一存在を藩王に掲げ、過激派のリーダー、サポート人員。そして、突貫作業で建造されたRB1機が投入された。
 フィーブル藩国の誕生であった。
 国旗には、藩王、摂政(現在は元摂政)、王猫の誓いの判が押され、藩王を現す朝焼と摂政を現す夕闇が、フィーブルクランの青空にあしらわれた。
 他国から見れば、オマケ程度も良いところの戦力であったが、彼らは実にフィーブルらしいと誇りを胸に蒼き騎士を見上げたのだった。



 そして、彼らは戦った。
 フィーブルの理念に従いありとあらゆる敵と戦った。誰に助けを求める事もなく。

 フィーブルクランにとっての敵とは、他人(ひと)の痛みの分からぬ者全てである。それは一般的に正義の味方と呼ばれる人種、隣人さえも含む。敵は幾らでも居た。四面楚歌という状況だった。
 更に追い打ちをかけるように守るべきフィーブル藩国という国自体が、植民の結果として消滅しており、名しか残っていなかった。藩国の人々の人心は荒廃しきっており、そこには建国時のフィーブルの理念さえ残ってはいなかった。

 フィーブルクランの戦いは原則として護る為の戦いである。防衛目標が無ければ目下の戦闘理由が成立しない。この時の藩国は、既にクランの敵であり、防衛目標足り得なかった。そして、ただでさえ無力なクランに守れるものなど他には無い。
 藩国は、こんなにも救いが無く、クランとしての役割を何も果たせていない。なのに、他国にはそれを成す存在がいる……それが藩王は情けなくて仕方なかった。

 結果、藩王の心がぽっきりと折れた。クランは大敗を喫した。
 敵が強大過ぎたと言えば聞こえは良いが、結局のところ、藩王は幾ら死んでもめげない程度には打たれ強かったが精神的に我慢弱かったのである。戦う事しか知らない馬鹿で、未熟さゆえに我欲を捨てきれなかったのである。

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