悪夢、囁く

 ……ィア、わたしリ………って言うんだ。よ…くね!

 うん、よ…しく!

/*/

 こんな所にお店?
 ペンション……ン…イン?
 ペンションなんだ?

 あれ? お客さんかな? 珍しい。
 いらっしゃい。

/*/

 マ…ター、こんにちは!

 はい、こんにちは。

 きの…の話の続きして、早…やく!

 そん…に急かさなくても…はい、どうぞ。

 時間は有げ…だよ! すぐお…あちゃんだよ!

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 へぇ! 君…れるんだ!

 Yes。

 名前なん…いうの?

 FSB-…2X-1。

 それ名前じゃ…いじゃん…

/*/

 マス…ー、何…これ…?

 戦争が始まったんだ。
 「良かったまだ生きてたんだね。」が挨拶になる様な戦争が。

/*/

 ボク、何も守れなかった…
 リディアもアークも…蒼翼も…
 マスター帰ってくるって言ってたのに…帰る場所も…
 ごめん…ごめんなさ…



 …目が覚めた。
 窓の外はまだ暗い。…という事はまだ朝日も出てないんだろう。

 いつもの夢。
 いつもの涙。

 とても大切な事のはずなのに。起きた時には何も憶えていない。
 ただ手を伸ばしても伸ばしても届かないもどかしさと、何かを失った悲しい気持ちだけが、茫洋と残っている。
 
 眠いのに、寝ている暇など無い気がして、心が騒いで、あの夢を見ると眠れなくなってしまう。

 窓の外を眺める。

 自分が無力だから、見渡す限りの砂漠になってしまった風景。
 自分が無力だから、深い傷を負ってしまった風景。
 自分が無力だから、何時失われてもおかしくない風景。

 この前遠回しに王に相応しくないと言われた。
 華族ですらそう言うくらいなのだから、みんなそう思っているに違いないと思った。

 泣いても何も変わらないと分かっていても、どうしても涙は出てくるのだった。
 今度こそ泣かないとそう自分に言い聞かせるのに、何度も何度も…


 …今日もフィーブル藩国王スフィアは、日が暮れるまで藩国内を走り続けるだろう。一つでも多くの悲しみを消すために。
 だが、それも限界が近付いていた。

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