~悪党の志~

 赤松遠心は自称「格好良い悪党志望」である。自称といっても、今の所、誰にも喋ったことはない。胸に秘めた覚悟だった。
悪党…といっても決してレイカちゃんに捕まることが夢というわけではない。今の所は。

 よく、祖父母から昔話を聞いて育った遠心であるが、その中の一つに自分の祖先に関することがあった。
 なんでも私の遠い遠い祖先には格好良い悪党がいたそうだ。
その頃は、上の政事が乱れその事に不満を有力が豪族が力を付けはじめる、そんな時代である。
私の祖先もその中で力を付けた豪族の一人であった。
最初はあまり、目立つこともなく中央の目を掠めて年貢の横取りなどしていたそうだが、焦らず、期を見極めながら着実に力をのばし、最後には、反抗勢力の有力なはしらとなって革新を成功させた。
義賊、と呼ばれてもよさそうなものだがみずから悪党。といって憚らなかった。

中央に抗うモノなので“悪党”である。
自分なりに解釈すれば反骨の士というのが最も近い。

 そんな事があり、気弱な性格であった遠心も日々みずからを隠れて鍛える生活(この事をしっているのは祖父だけである)おくったのだが、なに分、性格が影響したのか他人から抜きんでるようなものがある訳でもなかった。
(普段もいたって平凡な外見で、気の弱い人、というのが周囲の評価である。)
一つだけ、挙げるとすれば地道な訓練によって得た持久力には自信があった・・・

そんな遠心が一つの決心をしたのはちょうど、今のフィーブル国王が即位したあたりである。
「このままではいけない!」と修行をかね旅に出る事にしたのである。


…………


 東国生まれの赤松遠心の一日は濃いめのお茶から始まる。
フィーブル国は西国なので緑茶などがあるか心配だったのだが、交易が盛んな港町ということもあり探せば以外とあるものだった。
 ついでにここで周辺の地形について考えてみる。
・砂漠は体力・精神力を培うのに絶好の場所だ。
反発力の弱い砂の地面は移動するだけでも多大なエネルギーを必要とし、見渡す限りの何もない砂漠はひ弱な覚悟しか持たぬ者を確実に死へと誘う。
その事を自分は入国の際に思い知らされた。
もし、気のいい隊商に出会っていなければ自分も骨を晒していたかもしれない。
・海はもちろん水泳ができる。
釣りも時期を待つ、知るという点で欠かせない(釣りに関しては祖父に教わった)
ただ、みせかけの筋肉はいらないので水泳には素人は手を出さないほうがいい、と考えていた。
…鍛錬することに関してしか考えていなようだが、そこは自分は下っ端の歩兵だからいいのだと思った。

朝の一服終わり。

 特に役割もない赤松遠心の一日は召集されでもしないかぎり鍛錬に充てられる。
軍事訓練を受けるようになってからは見違えるように力を伸ばしている。
そこそこ基礎体力があったおかげであろう。
近頃は、砂漠で野営と海で釣りがマイブームである。

今日は海にでも行こうかな。と思いつつ家を出た遠心が商店街であるポスターを発見する事になる…

 (文:赤松遠心)

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